アガサ・クリスティの
『オリエント急行殺人事件』を読んだことがある人に、すんごい聞きたいんだけど。
、、、あのラスト、好きですか????
(ここからは物語のネタバレを盛大に含みます。読む予定の方はそっと閉じてそっと別の記事へどうぞおいでませ、、)
ものごとをいろいろな方向から見るのが苦手!
っていう私の「一直線思考っぷり」が
謎解きによって明らかになった話を
昨日の記事で書いてたんだけど。
この思考の傾向って、
そういえば”物語結末の好ききらい”にも
みごとに現れてたなぁと、、!
オリエント急行って
「実は容疑者全員が犯人でした!」
っていう話なんだけど、
その容疑者たちは”悪”ではないんですよね。
被害者となった人物が、完全なる”悪”。
彼らにとって大事な人を
身勝手な理由で手にかけた過去があって、
それをきっかけに彼らの人生は崩壊。。。
でもその人物は
法で裁くことができずに釈放されて、
現在もやっぱり”悪”な行いを延々とやってる。
もう、どうしようないレベルの
”悪”の塊みたいな人物なんですよね。
その現状を知った彼らは
「法で裁けないなら、
自分たちの手で裁くしかない……!!」
ってそれぞれ自分を奮い立たせて決意して、
その”悪”を睡眠薬で眠らせてる間に
一人ひとりがナイフで、、
っていうのが事件の真相。
ここまでの話は、すごく好き。
容疑者全員が犯人!っていう意外性も
そこに至るまでの彼らのストーリーも、
どれをとっても最高!
まさに極上ミステリ!!
さすが英国ミステリの女王、、、ッッッ!!!
、、、なのだけど。問題はこっからで。
探偵のポアロは
その真実を突き止めておきながら、
それを警察に言わないんですよね。
今回の犯人たち全員が”善”であること、
犯行に至るまでの経緯と背景、
そしてこれからも彼らが
”善”であり続けることを信頼して、見逃す。
そのポアロの想いを受け取って、
それぞれの日常へと微笑みながら帰っていく、、、、
、、、いや、
普通に逮捕でしょうよ笑
確かに彼らは”善”の塊みたいな人たちだけど、
人を手にかけてるからね。
自分たちも法律の隙間をかいくぐって人を手にかけて…って、その”悪”と同じことをやってるから。
どんな理由であれ
「人を手にかけた」事実は揺るがないし、
そもそも本当にその人たちは”善”って言えるの??それは復讐心に取り憑かれた”悪”じゃないのかい?????
っていうかポアロさんそれでいいのかい??!!
、、、って、
納得いかなさすぎてしばらくモヤモヤしてた。
誰か……誰かあの無法者たちを
全員逮捕してくれ、、、!!!
って思ってた笑
これだけぷりぷり憤ってしまったのって、
私の「一直線思考」が
関係してるんじゃないかなぁと、、!
私が思う「正義」と
ポアロの考える「正義」が違っていた、
っていうことなんですよね。
私は、この真正面の方向からの
「正義」しか認めたくない。
それ以外はありえない。
「正義」を別の方向から見たとき、
それは誰かにとっての
”悪”みたいに見えてしまうこともあるんですね。
(セカオワのDragon Nightの歌詞ってまさにそうですよね^^)
まぁこれは物語なので
実際には確実に逮捕されるだろうけど笑
現実の世界でも「一直線思考」に代表される、
「自分の考え(価値観)が絶対に正しい」
っていう思考が出てくることって、
結構あるなぁと。
この思考を強く持ってると、
自分で自分の首をしめることになる。
昨日も書いてたような
「生きづらさ」の原因になったりする。
誰かの価値観を否定することは、
自分の生きる世界を
狭めてしまうこととイコール
だと思ってます。
私はこう考えてる。
あなたはこう考えてる。
、、、なるほどゥッッ!!
で、いいんですよね。
相手が自分の考えをしつこく強要してくるようなら全力でイラっとするけど笑、
ほとんどの場合は
「それぞれが、それぞれの価値観を持っている」
のように、独立したいろいろな考えが
自分の周りに存在してる感じだと思うんですね。
存在してるままに、存在させておく。
それをわざわざ自分色に染めなくていいはずなんです。
一直線の正面からその人を見るんじゃなくって、
後ろや横、斜めとか、
正面以外の方向からもその人のことを見てみる。
その人の一部じゃなくって、全体を見てみる。
昨日の記事でも書いてたような
「森を見渡す」視点で、
価値観を含む「その人全体」を見渡してみる。
私はまだまだ全方位から
見ることはできてないけど、
二、三方向くらいはだいぶ見えるようになってきた気がする。
、、、いや、謎解きのとき完全に真正面だったから気のせいかもしれないけど笑
***
どうでしょう、
そういう視点で改めてオリエント急行の結末を見てみたら少しは納得でき、、、、
やっぱり誰か逮捕してぇぇぇぇええええ!!!!
オリエント急行の結末に心を乱されまくった私が物語から学んだこと
